アメリカン ビーグル アニー ♀
歓楽街の中にある悪い意味で有名なペットショップに興味本位で立ち寄ったのが運命の出会いでした。
そのペットショップは夜の女の人や酔っぱらった勢いでペットを買って帰る客層をターゲットにしている為深夜まで営業しており、よくキンキラキンの恰好をしたお姐さんや見るからにホストという方々がワンちゃんやネコちゃんが並ぶショーケースを眺めたり、時にはワンちゃんを出してもらって抱いているのを通りがかって見たことがありました。
もともとワンちゃんは嫌いではなかった私ですが、当時はマンション暮らしということもあってペットの購入は頭にはなく、夜のネオン街にある深夜営業ペットショップの前を通ってもさして気にも留めずに素通りしていました。
その日ネオン街で食事をしてほろ酔い気分で家路についた私はふと、何の気もなく興味本位だけでまるで動物園を訪れるような感覚でペットショップの入口を跨いでいました。
お酒を飲んでいたのもあり好奇心が勝ってしまったせいでしょう。
入口付近に並ぶ子猫ちゃん達のショーケースを覗いて「ふ~ん、可愛いね」なんて思いながら奥に歩いてワンちゃんコーナーに差し掛かり、ふとショーケースを覗いた瞬間まるで「ガツン!」と頭をバットで叩かれたような衝撃を受けましたw
これぞまさしく運命の時でした。
「うわ!!」と声を出す私の見つめる目線の先にはつぶらな透き通った瞳で私をじっと見つめるアメリカンビーグルのチビちゃん!!!
(イメージです)
「カワイイ・・・・・・・(30秒程金縛り)、こんな天使のようなワンちゃんがいるんだ・・・(心の声)」
ここで絶妙のタイミングで店員の悪魔の一言「抱っこしてみますか?」
「・・・・・・・はい・・(魂抜かれている)」
ショーケースから出されたチビちゃんを抱っこした私wこれで完全フィニッシュでした。
「すこし考えてみます」な~んて言葉はみじんも出てきませんでしたw
もし今店員にワンちゃんを一時返して、時間を使って購入を決意してからペットショップに再度来るまでの間に売れてしまったら、このワンちゃんに二度と会えない、それだけは絶対に避けたい。
いや、ここで私の腕からショーケースに返したその瞬間に他の人の手に渡ってしまうかもしれない・・・・
私の口から出た言葉は「支払いはクレジットカードで」でした。
何故かアニー♀のチビちゃんの時の写真がデータで見当たらず、かろうじてある一枚がこれです。
名前は「アイウエオ」の「ア」から始まる名前の「アニー」としました。
アニーが繁殖して子孫を残した時にはア行の次の「イ」から始まる名前にしよう、なんて考えからです。
当時はワンちゃんのしつけ方、付き合い方も分らず我が家に来たアニーにてんやわんやしたのを覚えています。
しかも後先考えずに購入したのは良いのですが当時住んでいた賃貸マンションはペット禁止だったのですぐにペットOKのマンションへと引っ越ししました。
今や17年もの付き合いですが、人間社会の中にいきなり飛び込んできたアニーは、今の我が家のように犬小屋で複数のワンちゃんと共同生活を送る環境と違ってマンション暮らしだったせいもあり、24時間私たちと過ごし食事も寝る場所も同じで、恐らくその当時から今でも自分の事を犬とは思っておらず人間だと思っていると思います。
今でも毎日顔を合わせていますが、あの私の魂を奪った天使のような子犬が今や毛は真っ白くなってヨボヨボで、ご飯を食べる時間が優に5分を超えるほど老いて、寒い時期には神経痛のような症状が出るのを見ると、共有した時間の長さを感じます。