アメリカンビーグルの「アニー」「レイ」と暮らし始めて7年程経ってから北海道の犬舎から購入しました。
当時渓流釣りに嵌っていた私はアニーやレイを伴って、しょっちゅう山奥深くの渓流に行き岩魚釣りを楽しんでいました。
登山と釣りとワンちゃん達との散策、キノコや山菜があれば摘んで帰りマムシがいれば捕まえて蝮酒にするなど、一度にお腹いっぱいに自然を満喫出来る遊びに夢中になっていました。
渓流釣りは山深い道なき道を歩く為人に出会う事もなく、アニーやレイちゃん達を放してやれば格好の運動にもなりますし、猟犬としての訓練にももってこいです。
元々ウサギ狩り用の猟犬であるビーグルは、山中で獲物に出会うと激しく「追い鳴き」をしながら執念深く追跡を始めますので、アニーやレイちゃん達も渓流釣りに行く途中で獲物の臭いをかいで追跡を始めることがよくありました。
ビーグルはイギリスのスポーツであるウサギ狩りに用いられていた。古代ギリシアでウサギ狩りに用いられていた犬の末裔とも言われる。犬名は古フランス語の「開いた喉」に由来するとも、ゲール語の「小さい」(beag)に由来するとも言われる。
ビーグルは他の犬種に比べると決して俊足ではないが、豊富な体力と獲物を追いながら延々鳴き続ける「追い鳴き」と呼ばれる習性を持つ。またハンターが馬に乗らなくても良く、徒歩で狩猟ができることも好まれた。
引用 wiki ビーグル
大抵は何時間か経つと飼い主の元に帰ってくるのですが、ある夏の日に獲物を追いかけた時に迷ってしまったようでレイちゃんが帰ってこれない事がありました。
しかも山中で迷う事10日間w
永遠の別れを考えていた私の前に現れたレイちゃんはガリガリに痩せていましたが、周りの心配もどこ吹く風といった飄々とした表情は変わらず安堵で胸をなでおろしました。
ハウンドの一種であるビーグルは獲物を追いかけると山を越えるのは知っていましたが、さすがに10日間も行方不明になると思っていなかったのと、こんな心配をするのはコリゴリだった私は渓流釣りや散歩時に飼い主からあまり距離を取らない鳥猟犬に興味が湧き始めました。
鳥猟犬と聞いて真っ先に頭に浮かぶのが「ポインター」で、私の知人がポインターを飼っていたこともあり身近で観察出来ましたが、サイズが大きいのと、これは好みの問題ですが表情や仕草があまりカワイイとは思えず候補にはなりませんでした。
表情や仕草は子犬の時から飼えば愛着が湧いてどうでも良くなるのは分っていますが、サイズだけはどうしようもありませんからね~。
反対にあまりにワンちゃんが小型だと能力的に山歩きが出来ないので小型犬も除外。
中型犬サイズで愛嬌があって猟犬としての能力も高い…と探すと、いました「ブリタニースパニエル」。
本種は鳥猟犬として多目的に使われる。主に狩る獲物はヤマシギだが、キジ、イワシャコ、カモなども狩る。優れた嗅覚を駆使してそれらを発見するとフラッシング(追い出し)をするが、訓練によってはセッティングまたはポインティングをさせることもできる。また獲物の回収(リトリービング)もできる。
ブリタニースパニエルを飼っている方から聞いた話やネットで調べるうちに、素直な性格、運動能力の高さ、狩猟犬としての能力の高さなど大変評価が高いことが分かり、まだ見ぬブリタニースパニエルへの期待は大きくふくらんでいきました。
早速ネットで全国の犬舎と子犬情報を探しましたが、まだブリタニースパニエルがメジャーではないのかさほど多くの販売業者はありませんでした。
色々検索しながらブリーダーの情報などを調べるうちに、ここの犬舎のワンちゃんなら問題ないと思えるところがあったのと、ちょうどその犬舎のHPに子犬情報が載っていたのですぐに連絡をとってブリタニースパニエルの♀を確保しました。
それから10日程後、北海道から空輸されてきた子犬のマロンと空港で出会ったのが初めての出会いでした。
マロンという名前は犬舎の方が仮の名前として付けていた名前ですが、綺麗な栗毛のチビちゃんにピッタリの名前だと思い、そのまま「マロン」と呼ぶことにしました。
犬舎での親や兄弟との集団生活から一変した状況に当初は戸惑っていましたが、さほど時間も掛からないうちに我が家や、先輩ビーグルたちとの生活に馴染んでくれました。
争いを好まない平和な性格、飼い主を慕う従順さ、狩猟犬としての能力の高さ、愛嬌の良さなど、ネットで知ったブリタニースパニエルの性格そのものでした。
飼い犬への贔屓ではなく素直にブリタニースパニエルという犬種のマロンを評価すると、マロンは大変優秀な部類に入ると思います。
人間でも頭が良い、運動能力に優れている人、また逆に運動が出来ない、頭が悪いなど様々な方がいますが、ワンちゃんの場合も同じである能力が優れていてもある能力がダメという長所短所があります。
例えばビーグルはハウンドの一種ですので、臭いを追って追い鳴き(ワンワン吠えながら追いかけること)をするのが本能であり期待される能力ですが、猟犬としての本能が薄れているワンちゃんも多くいて、そもそも獲物の臭いに対して反応しない犬や追い鳴きが出ない犬などがいます。
追い鳴きで主人に場所を知らせながら獲物を追いかけるのがビーグル犬の使命ですので、追い鳴きが出ない犬や臭いを追わないビーグル犬は本来ならば淘汰される運命にあります。
ビーグルの場合愛嬌があってペットとしての需要も高いので即淘汰されることは稀でしょうが・・・
話は戻ってブリタニースパニエルの場合は優れた嗅覚を使ってキジ、ヤマドリなどをポイント(ポインティング)し、フラッシング(追い出し)させて、ハンターが撃ち落とした獲物の回収(リトリービング)をするのが仕事ですが、マロンは成長していくに従ってこれらの高い能力を持つことを証明していきました。
また水遊びも大好きで海や川などで投げた木の枝などを水に飛び込んで回収(リトリービング)するのも得意中の得意です。
ブリタニースパニエルと接する際に決してしてはいけないことは「怒る」ことで、暴力なんかとんでもない!
暴力や怒鳴り声は素直で温和なブリタニースパニエルの心を委縮させてしまって訓練の成果や信頼関係を損ないます。
ご主人様が褒めてあげることで能力を大きく開花させるのがブリタニースパニエルの特徴ですね。
マロンは今10歳になりますが性格的にムラがなく、チビちゃんの時から穏やかで愛嬌のある性格は変わりません。
やや運動能力が落ちてきて獲物を探索する範囲が狭くなったのとスタミナがなくなって来たのは年齢を考えるとしょうがないですね。
ワンちゃん同士でも嫌われることなく犬小屋でビーグル達と寝転んだりしていますね。
ご主人様が穏やかな心で接するとそれ以上の幸福感を行動や仕草で返してくれる、ブリタニースパニエルはそんな犬です。
Djangoのペットとしてのオススメ犬種です。
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